アルル:う〜、今日は予想外に冷えるなぁ……。こんな遅くなるんなら、何か羽織るの持ってくればよかったよぉ(ブルブル)
シェゾ:…………。
アルル:もう夏だと思って油断したなぁ。確かに昼間天気おかしかったけどさぁ。はぁ。
シェゾ:……おい。
アルル:うわぁっ!? だっ、だ、ダイヤキュート!!
シェゾ:お、オイマテ落ち着けアルル! 俺だ!!
アルル:ふぇ? ……あ、なぁんだ、シェゾかぁ。ビックリしたぁ。いきなり出てきて耳元で喋らないでよ。
シェゾ:驚いたのはこっちの方だ。相手確認する前に魔導撃ってどうする(汗)
アルル:ここが戦場なら相手確認してる間にやられちゃうよ(ぷー)
シェゾ:生憎だがここはお気楽な魔導学園のお膝元だ。そうそう戦場になんてならねぇよ。
アルル:とはいえ物騒なのいるけどね〜。キミとか。
シェゾ:黙れ半人前。だいたいなぁ、戦場でも敵か味方か判断できるくらいの余裕はないと――、
アルル:はいはいはいはい! 解った解りました、その通りでございます! お説教はいいよ、もう。 ……で、何の用なのっ?
シェゾ:……。お前がほ――
アルル:張っ倒すわよ変態(にっこり)
シェゾ:…………。いや、こんな時間にほつき歩いているのかと。
アルル:好きで歩いてるんじゃないんだって。帰ろうとしたら先生に見つかって色々手伝わされてたの。で、今帰り。
シェゾ:ほ〜。その格好でか。
アルル:あぅぅ。(肌寒さ思いだして震え)うぅ、朝、肌寒いな〜とは思ってたんだけどこの季節だしすぐ暑くなると思ったんだよぉ。しかもこんな遅くなるとも思わなかったし。
シェゾ:…………。
アルル:う〜……。
シェゾ:(バサッ)
アルル:ふえ?
シェゾ:寒いんだろ。それ羽織ってろ。
アルル:え……、え? でも、
シェゾ:まぁ、この前の詫(わ)びだ。
アルル:この前……。
シェゾ:わくぷよランドの。塔の前で……。
アルル:え、あ……気に、してたん、だ。――も、もうやだなぁシェゾってば! ぜ、全然気にしてないよっ!? 大体、ボクがその、悪かったんだしっ!
シェゾ:…………。
アルル:…………。……でも、全部終わって、いつものシェゾだったから……安心した……。
シェゾ:っ!?
アルル:ごめん、ね?
シェゾ:お前……。
アルル:だから、さっ、シェゾも気にする事なんてないんだからねっ! このマントも――
シェゾ:いや、羽織って早く帰れ。風邪引く前にな。返されても受け取らんぞ。
アルル:あ……。で、でもっ、
シェゾ:返されても受け取らない。
アルル:あ、えと……ありが、と(ぎゅっ)しぇ、シェゾも、風邪引かないで、ねっ!
シェゾ:ふん、闇の魔導師であるこの俺様が、風邪なんぞに負けるわけがないだろう。
アルル:とか言っちゃってぇ、馬鹿は風邪引かないとかそういう――っと、ごめん、冗談。こんな事言ってたら、また喧嘩になっちゃうね(苦笑)
シェゾ:…………。
アルル:じゃぁ、シェゾ。帰り、気を付けてね!(身を翻す)
シェゾ:こっちのセリフだっつーの(見送り呟き)
アルル:(離れた場所で振り返り)マントありがとー! また明日ねー!(手振った後踵返し)
シェゾ:また明日、か。アルル……本当に、不思議な奴だ。
[END]