「 初夏と太陽と、 」

 

 

 

 徐々に照りつけ出す太陽。窓を通り抜けてくる風が、何処か乾いてる。空の青も、くすんだ色が無くなって。

あぁ夏だな。などと、和んでいる自分がいる。

 そんな風に俺を変えてしまったのは、アルル。あやふやな記憶の中で、確かに微笑んでいたアルルなんだと、そう思う。

 夏に生まれたあいつは、初夏の太陽の下、俺の前を去っていった。最後まで、微笑んでいた。

 俺はまだ忘れていない。あの日を。

 

 

 

 ドアを見れば、毎年のように思い出す。

 すべての一つ一つが鮮明に、俺の頭にインプットされている。

 

「シェゾ!!みてみてみてーっ!!

 ももものお店でね、こぉんなにおっきな西瓜売ってたの!!一緒に食べよう〜!!」

 

 何十年…あるいはもっと前。あいつは、俺の家を毎日といっていいくらい出入りしていた。

 俺とアルルが…そのなんというか、友達とはほど遠い関係になってから、あいつが俺の家のドアを壊すこともなかったな、などと、思い出す。

 アルルの明るい声が、更に明るさを増す頃。季節も同じように、まるでアルルの笑顔に導かれるようにして夏が来る。

 

「…おー、って、なんだそれ!?何人前在るんだよ!!」

 

「えっへっへ〜、ついつい美味しそうだったから大きいのかってきちゃった!」

 

「さすがにでかすぎるだろ…これ。」

 

「いいじゃない!!今日も明日も西瓜食べられるなんて、僕嬉しいけどなぁ?」

 

 自分の顔よりも大きい西瓜を、アルルは毎年のように買ってきた。一人で楽しめばいいと思うのに、いつも俺の処へもってきて。

 カーバンクルはいつもサタンの処においてきていたらしい。アルル曰く、かーくんがいたら、全部食べちゃうじゃないか。 とのこと。

…ごもっともな意見だなと、笑ったことを覚えてる。

 

「っはー、おいしーねぇ!!やっぱり夏は西瓜だよね!」

 

「そーだな。…手がべたつく…。」

 

「洗えばいいんだから、文句言わないっ!!」

 

 笑いながら過ごした日々は、そうながくは続かなかったけれど、それでもその時は幸せだった。長くは続かない、そんな泡のようなものだったけれど。

そういっても良いくらいに、日々が楽しかったことも覚えてる。

 赤い西瓜の甘い匂いが、そんなことあるはずもないこの部屋に蘇ったような。

 そんな錯覚さえ起こる初夏。

 

 さっきも言ったが、やはり幸せなど長くは続くものじゃない。

 だから、価値があるんだよ?――…アルルは、いつもそういって笑っていた。

 あいつの様子がおかしいと気付いたのは、何年も同じように初夏を繰り返したあと。

 

 

 

「なんだか、風邪引いちゃったみたい。」

 

 アルルは珍しく、冬の間、ずっと姿を見せなくて。あいにく俺も多忙で、よりにもよってその冬、俺が家にいることは数日しかなかった。

初夏になっても来ないから、試しに見に行った。

 その時の絶望感は、未だに忘れられない。

 細い腕は更に細く。痩せて青白い顔色。いつもと同じように笑っている筈なのに、すぐに壊れてしまうような。

 どう見ても風邪じゃなかった。

 病院に行こう、と、いったのに、細い弱々しい声で、行きたくない。と、繰り返す。

 

「いいんだ。大丈夫だよ、僕。」

 

「…大丈夫じゃねぇっていってんだから、大人しく病院いくぞ!?」

 

「いいってば!!それよりもさ、僕シェゾと一緒にいたい。」

 

 優しく微笑みすら浮かべるアルルを、止めることなどできなかった。

 今になって思う。無理矢理にでも連れて行ったら、アルルはもっと…生きていられた……? 

…否。それじゃ、アルルの気持ちを無視することになる。

 

「…わかった、一緒にいるから。」

 

「えへへ…、ありがと。」

 

 抱き締めたその身体の細さに、俺は本当に不安を感じた。

 無くしたくない。アルルを。

 無くしたく…、ない。

 ただ、ただ思った。どうこうなった訳じゃないけれど、目を見ればわかった。アルルの命の灯火が、はるかに弱くなっていること。

 冬の間に会いに行けば良かった。本当に、心から思った。

 

「シェゾ、僕が良くなったら西瓜買いに行こうよ。ね?」

 

 相変わらず食い意地ばっかりだな、と、苦笑して言うと、だって西瓜美味しいじゃないか。と、アルルは笑って答えた。

 

 

 それから月日はゆっくりと流れ、アルルは寝込んだり、具合が良いと一緒に町まで買い物に出たりした。

 アルルは俺の家で過ごすことが多くなった。独りで居ると、色々大変だろうと思い、俺がアルルを家に呼んだ。

 アルルは嬉しそうに呼んだその日のうちに俺の家へやってきた。それ以来滅多なことがなければ、アルルは俺の家で過ごした。

一部の奴らに、ヘンタイだのなんだの言われようがが、アルルが嬉しいならそれで良いと思った。

 

その一部の奴らも、アルルの様子に気付いて以降は何も言っては来なくなった。

ただ、俺たちの為に静かな時をくれた。

 

 

 秋の月の綺麗な夜。アルルを側に置いて、俺は本を読んでいた。

 その日はアルルの気分も良かったらしく、飯も普通に食って、散歩にも出かけた。

肩に乗せられているアルルの頭からは、病気がちになってもやはり日の匂いがしていた。

 変わらない匂い。変わらない温度。変わってしまったのは、何処か弱く見えるアルルそのもの。

 本のページをめくると同時に、アルルが俺を見上げた。本から目を離すと、嬉しそうに微笑んだ。

 

「シェゾー。あのね。」

 

「なんだ?」

 

「僕ね、ずっとそばにいるからね。」

 

 その時のアルルの表情は忘れない。安らかな表情だった。一度も見たことのないような。

 病気がちになり、ただでさえ白い顔がもっと白く見える。少し伏せ目がちに微笑むアルルの横顔は、本当に綺麗だった。

 清くなめらかなその表情。思わず見とれてしまうくらい、惹きつける何かがあった。

 

「何言ってるんだよ、急に。」

 

 何故か急に不安になり、本を側に置いてアルルの金色の目をじっと見る。その目には、俺の姿と背後の月。

 金色の瞳の中に、確かにそれは映っていたのに、アルルの目にはもう何も見えていないんじゃないかと思えるくらい、アルルは澄んだ目をして、俺を見ていた。

 

「…もしも、」

 

 アルルが口を開く。掠れたようなその声は、凛と部屋に響く。

 高めのその声が、俺の鼓膜をゆらす。

 

「死んでしまっても。『傍にいる』って、言ってるんだ。」

 

 アルルの表情は真剣そのもので、いつもの微笑みはなかった。

 真っ直ぐ向けられた金色の瞳は、まるで俺の心を見透かそうとしているようだった。

 その目に、背筋が一瞬凍るような感覚。

 

 ――傍にいる…その台詞は、何度も聞いた。

だけど、これほどの恐怖を感じた時はなかった。

 

 アルルが、――死ぬ…?

 

「何いってんだ。お前は、死なない。」

 

 口から出た台詞はひどく虚しいものだった。こいつは、もしも病気になっていなかったとしても、それでもきっと俺より先に死ぬ。それは、わかっていた。

 矛盾した台詞。真っ直ぐな金色の瞳。

 アルルは、弱く微笑んでいるのかも判らないくらいにわらった。

 

「…傍に、いるよ。」

 

 アルルの目からこぼれ落ちた水滴は、俺の手をぱたぱたと濡らす。

 それが、とても愛しくて。アルルの一つ一つ全てを無くしたくないと、思った。

 形として残らない微笑みも、拗ねたような面影も、仕草の一つ一つ、くるくる変わる表情。声さえも、無くしたくなかった。

 いつかは、この涙は乾くだろう。だけど、無くしたくない。ずっと濡れたままでいい。俺を深く染めてくれればいいと思った。

 

「そんな、弱気な事言ってどうするんだよ…。

 また、来年の夏も西瓜買って食うんだろうが。」

 

 話を逸らしたくて、平然を装っていった。アルルが、死ぬなんて考えたくなかったから。考えられなかったから。

 確かに、覚悟を決めては居たけれど。それが、現実と化したら、俺はどうするだろう。

 

 俺がどんな表情でそう言ったのかは知らない。ひどく情けない自分の声だけが、聞こえた。

 

「…あぁ、そうだったね。

 約束、したもんね…。」

 

 忘れていた…と、いった風にアルルは窓の外の月を見た。

 その横顔を、俺は忘れられない。

 

 

 

 その日以来、アルルの調子は悪くなっていくばかりだった。

 一人でたって歩くのもままならず、ソファに座っていたり、悪い時には一日中ベッドで横になっていた日もあった。

 それでも苦しいなんて言わずに、不安がる俺に「大丈夫だよ」と、何度も繰り返した。

 

 

 五月の梅雨の頃に、アルルは血を吐いた。

 

 夜、咳き込むアルルの背中を撫でてやろうと思って、側へ行ったらシーツが紅く染まっていた。

 赤なんて色じゃない。黒いような、そんな血。

 

「シェゾ……ごめん、ね。」

 

 アルルはそう何度も繰り返した。何に対して謝っているのか、判らなくて。

 ただ、背中をさすってやることしかできなかった。 

 苦しそうに、アルルの口から溢れる赤。アルルの命を持って逝ってしまうようで、見慣れたはずのそれが怖かった。

 

 

 

 

 弱々しく笑うアルルが、今でもたまに夢に出てくる。

 初夏の前の梅雨。

夢に出てくるアルルは元気に笑っていた頃から、血を吐いたその季節まで一気に俺の夢に出てくる。目が覚めても、暫く何も考えられない。

そんな日は、俺は窓辺に座ってアルルの寝ていたベッドを見ていた。

そうすると、自然と気持が落ち着いた。

――……アルルは、確かに此処にいた、 そう、確信できるから。

 

 

 

 血を吐いて、まもなく。

 初夏が、きた。

 窓を開けると、少し湿ったような空気が流れ込んでくる。カーテンが風に揺れて、日がへに差し込む。少し揺れるだけで、変わる光の表情。

 アルルはそれを愉快そうに見ていた。

 

 

 そして、そんな季節のある日。

 アルルは、帰らぬ人となった。

 

 

 アルルが他界したその日、外は涼しくて。アルルの身体の調子も、今までよりもずっと良かった。

 朝、本当に久しぶりにアルルに起こされた。

 

「シェゾ、西瓜食べたい!」

 

 そんな、台詞で。

 目を覚ましたら、昔のように笑うアルル。

 その姿は、昔のままで時が後戻りしたのかとさえ思った。もしくは、俺は長い長い夢を見てるんじゃないかと。

 

 よく見れば、アルルの腕はやはり細いし、顔色だって悪い。

 だけど、それでも思えて仕方なかった。

 

「……お前なぁ…まぁ、いいか。食欲が出たなら、買いに行く。

 お前は、もうちょっと寝とけ。」

 

「えぇー…僕、今日は本当に元気だよ?

 …血だって、もう一昨日から吐いて無いじゃないか!

 一緒に、買いに行く!」

 

 ずるずるとベッドからはい出る俺に、アルルは頬を膨らまして抗議した。

 本当に、元気な姿に見えた。だけど、歩かせてみればやはり力無く。街まで行くなんて、とても無理だと思った。

 だけど、アルルは食い下がろうとはしなかった。

 昔のままの、強情なアルル。

 

 一時の夢のような、その時間。

 続けばいいと、俺は願った。

 

「…お前なぁ…今ゆっくり寝ずに悪くなったらどうする!!」

 

「じゃぁ、今一緒に行かなくて、このまま悪くなって何処にもいけなくなったら、シェゾ、責任とってくれる!?」

 

「…………。」

 

「言い返せないでしょー?大丈夫だよ、しんどくなったら言うからさ。

 シェゾと、一緒に行きたいんだ。」

 

 諦めるかと思って、ずっと許可を出さなかったけれど、結局負けたのは俺の方だった。

 アルルの声は真剣そのもので、仕方なく俺は頷いた。

 それを見て、アルルがにっこりと微笑んだ。 ……昔の、ように。

 

 

 

 窓の外。今はもう見えにくくなったけれど、今もまだ街へと続く道。

 あの道を歩いたのは、もう何十年も前。

 アルルが俺の腕にまとわりついて、俺がそれを支えて歩いた。

 外出したのは、それが最後たったな…――

 

 初夏がくる度思い出す。俺は、まだあの日を忘れていない。

 俺は、まだ全てを忘れてはいない。

 

 

 

「はー…今日は、涼しいんだね。」

 

「あぁ、暑いよりずっとましだ…。」

 

 そう言う俺を、わがままだなぁ、と、アルルは笑った。

 アルルを支えながら歩いた道。おぼつかない足元、既に息の上がっているアルル。体力が、格段と落ちたのだと、もう一度思い知った。

 きっと、その時にはもう人並みの体力はなかったんだろう。

 それなのに、街までの距離を、アルルは俺に捕まりながらも、行って帰ってきた。

 

「シェゾ!!これにしようよ!!おっきくて、美味しそうっ!」

 

「んぁ?って、お前はまた無駄にでかいのを…!?

 こんなに、くえねーだろっ!」

 

「残ったら、かー君にあげるもん!」

 

「……お前、アイツのこと本当に可愛がってんのかぁ?」

 

「ほぇ?もちろんだよ!!」

 

 相変わらず、大きい西瓜を指さしてこれがいいとアルルは明るく笑った。

 昔、毎年繰り返したような会話。懐かしいな、と、思った。

 

 結局、いつも通り俺が負けて。大きすぎる西瓜を買って、家へと帰った。

 さんさんと照りつける太陽が、アルルの髪に透けて綺麗だと思った。そう言ったら、君もだよ、と、アルルは言った。キラキラ光って、宝石みたいだと。

 仄かに染まった頬が、嬉しそうに微笑むその笑顔が、とても眩しくて、愛しく感じた。

 

 

 若草が眩しいその季節。俺とアルルは幸せだった。

 過ぎ去った過去を振り返る今も、そう覚えている。確かに、幸せだった。

 

 

 

 アルルの調子も良いし、天気も最高な日だった。

 アルルの外で食べようという提案に、俺も快く乗った。

 俺と、アルルの最後の時が、迫っていたことに俺は気付かないままで。

 

 

 

「っと、包丁とってくるな。此処で待ってろよ?」

 

 昔、闇の剣を使ったら、その後何故かカーバンクルにビームを喰らわされた。それ以来、ちゃんと包丁を使うようになった。

 別れの時が迫っているのを知らない俺は、まだまだ時間があるとその時思っていた。

 だから、いつものように了解を得て、家の中へ入って、青い草の中へと戻っていった。

 

 戻ってきて、目にしたものは。

 俺がもっとも恐れていた光景。

 

 

 綺麗だった。そこに横たわっているアルルが。

 日の光を全身に受けて、静かに横たわっているアルルが。

 眠っているのかと、思った。

 微かに、上下している胸に、まだ生きているとわかり、名を呼んだ。

 

 うっすらと目を開けたアルルは、あの夜のように俺と俺の背後の太陽を目に移していた。

 ただ、月が太陽に変わっただけ。輝きをもたない瞳に、息が詰まる。

 その目には、やはり何も映っていないように見えた。

 唇が、俺の名前を紡ぎ出した。虫の鳴くような、声だった。

 

「……アルル…。」

 

 何を言って良いか判らず、からからになった喉を絞るようにして声を出す。

 そんな俺に、僅かながら微笑んで、西瓜を指さして、「食べよう?」と、小さな声で言った。

 

 ひどくひどく苦しかっただろう。それでも、アルルは微笑みを浮かべた。

 全てを受け入れているような、そんな顔をして。

 

 紅い西瓜を小さく切った。赤い甘い匂いの果汁が、辺り一帯に優しく広がる。

 サッパリとしたその匂いに、アルルは微笑んだ。

 食べさせてやると、「美味しいね。」と、とぎれとぎれに言った。

 

 それから

 

 俺の名前を言葉にせず、唇だけ動かして呼んだ。

 「愛してる。」と、そう言ったようにも見えた。

 

 

 ――…それが、最後だった。

 

 

 

 微笑んで、それから徐々に目を閉じていくアルル。

 安らかなその顔は、本当にただ眠りに落ちたようだった。

 だけど、確かにその身体は冷たくなっていき、呼吸を繰り返していた胸ももう動かない。

 

 ただ、アルルの魂が抜けていくのがわかった。

 俺の腕の中で、アルルは確かに幸せそうに微笑んでいた。

 

 

 一つ、そっと触れるだけのキスをして。

 それから、強く抱き締めた。

 そして、声もなく光に包まれて、光を抱いて、俺は泣いた。

 

 

 草の中に置かれた赤い西瓜は、太陽に照らされて甘い匂いでその場所を包んだ。

 涙に濡れて光る草が、ただ静かに、揺れていた。 透明な風にのって。

 

 

 

 

 人が死ぬのは呆気ないと思っていた。

 だけど、アルルの死は決して呆気なくなんて無かった。

 呆気ないどころか、俺の記憶にしっかりと結びついている。

 

 俺は、覚えている。 アルルと、過ごしたあの幸せな時を。 

 

 

 

 

 

初夏がくる度思い出す

   アルルと共に過ごした時を

 

    一緒に過ごした時を

 

 

 

 一番最後に、初夏に元気だった頃、大きく微笑んだアルルが確かに瞼の裏で蘇る。

 俺の名前を呼んで、笑う。

 

 一度も、苦しいなんて言わなかった。

 アルルは、あの夜の約束を守っている。

 記憶と姿を変えはしたけれど、俺の傍で、俺の記憶の中でアルルはずっと俺の傍に居てくれる。

 あの夜、俺とアルルは確かに別れの約束をした。

  

 今になって、それがわかるなんて。

 遅すぎると、思ったけれど。それで良かったんだとアルルは言ってくれた。

 

 

 

 夢の中、アルルは笑う。金色の目を、キラキラさせて。

 美味しそうに西瓜を食べながら、明るい笑顔を浮かべながら。

 

 俺の名前を、何度も呼んだ

 

 

 

 

 

 初夏の太陽の下、声が聞こえる

 俺の名前呼ぶ声と、楽しそうに笑う声

 

 

            ―――…『シェゾ』…

 

 

 俺が愛した、一人の少女

 

 

 

 

 

 街で西瓜を一つ買って、窓辺においた。

 窓を開けると、爽やかな風が部屋へと流れ込んでくる。

 

 

 

 

 ――もうすぐ、アルルの生まれた夏が来る……

    俺だけの太陽が、また一つ、俺の記憶に微笑んだ…

 

 淡い光を放つ初夏。西瓜の香にのって、毎年俺の愛した一人の少女が俺の記憶に光と共に蘇る

 

 

 

                   ―END

 

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