「空を掴む」

 

          

 

 ボクがもしも消えてしまったら……

キミは探してくれるの……?

 キミがもしも消えてしまったら……

ボクは探しにいくの……?

 

 

 遠い遠い、日々はもう古ぼけて、思い出へと姿を変えて。

忘れないように、誰かが今日も涙を流す。

 

 なんて事ない日々が、あれほど懐かしいことはなくて。

ただ、ただ。君に会いたいだけなのに。

 神様は会わせてくれない……。

 

ボクはここに居るんだ。キミに言ったことを忘れて。

 

――ボクが消えてしまったら……?キミは一体どうするの?

 最後の日。これだけきいた。頭の中は真っ白。心は空っぽ。

ただ、願うのは……甘い甘い言葉。

 

――俺が消えてしまったら……お前は探しに来るのか?

 最後の日。最後の言葉。彼の口から、こんな言葉が溢れるとは思わなかった。

ただ、願っていたのは……永遠を約束される日々。

 

二人とも、まだ返事は返しておらず。心は、闇に浮いたまま。

 

 ボクは別れを告げなかった。分かりきってたことだから。

 キミも別れを告げなかった。知りすぎていたから。

今、別れを告げても。 今、約束をしても。

 

   もう、遅い。もう、叶わないから。

 

――俺が消えてしまったら……お前は探しに来るのか?

 彼の初めての弱音。初めて見せた切ない顔。

答えはいらないと、ただ蒼い目が語っていた。

それなのに 何故。 キミはそんな眼でボクを見るの?

 

答えが出たのは、キミの世界が終わるとき。

もう、間に合わない。心は闇に浮かんだままなのに。

 

 空を掴むその手も虚しく、キミの姿は消えていく。

 

 

「ねぇ、ボクはキミを探しに行くよ。キミのために。」

 

 空を掴むその手は切なく、ボクの前で崩れていく。

 

「なぁ、俺はお前を探しにいくぜ。お前のために。」

 

 

悲しい瞳は金の色。 切ない瞳は蒼の色。

こんなに、想い合っていたのに。答えが出たには遅すぎて。

 もう、二度と繰り返されない。もう、二度と帰ってこない。

 

ねぇ、空を掴む。 ボクの手も キミの手も

   ねぇ、空を掴む。 キミがそこにいると願って。

ねぇ、空を掴むこの手が、何かに触れるように。

 

  ボクの手も キミの手も

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・FIN・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 後書き

 

アルルと、シェゾ。いずれ、シェゾとアルルの決着の時を思って。

最後まで悲しくなってしまった。……ちょっと失敗だった思うのです……。

 本当に暗いですねぇ……。そして短い!!?……スイマセン。としか言えませんです…。

しかも、隠れて(!?)死にネタ。……本気でくらいなこれ…(しつこい

はー、次回、甘甘なものを書いてみようかなぁ〜……なんて。(笑

 

                                空


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