日記掌編

No 18. イ・タ・ズ・ラ


 笹の葉さらさら 軒端に揺れる
 お星様きらきら 金銀砂子……

 
 刻々と降り行く夜の帳。
 日中の暑さも和らぎ、夜鳥たちがむくむく起きだす日暮時。
 星は輝きを増し囁きは波となって草葉を揺らし、その面には光が舞う。
 暗に隠れた忍び足。
 祭りはまだ先。されど、灰色羽織の後姿はこんなにも近く。

 もう少し、あと少し。

 まだ貴方は気付かない。

 口元の艶笑。
 体内の気を"冷"に変え手の平に纏わせて、貴方の首筋へ――、

「うぉあぉぅっ!!?」



 翠緑の髪を逆立てて飛び上がる様が、何だかとても楽しいのです♪


 THE END


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