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サタン「……ふぅ

高き陽の恩恵を受け華やかさに賑わう街。
一望できるバルコニーで、彼は長い足を優雅に組み溜息を吐いた。

隙無く整えられた深緑の髪は風の悪戯な寵愛を受けても平然として纏まる。
きっちりと乱れなく着込んだ黒衣は闇にすら染まらない。
頬杖をつき街を見下ろす切れ長の双眼、通った鼻筋、白皙の肌。
全てが思慮深く、優しげだった。
しかしその容姿は、彼が只ならぬ者である事を厳密に伝えてくる。
眩しげに細められた瞳はルビーよりも紅く、滑やかな直髪からは尖った耳が、
紅唇からは鋭い犬歯が覗く。そして照りつける太陽の下惜しげもなく晒された黒竜の翼と
……頭に頂いた黄金の双角。

全てが静粛の下に沈み込む夜。暗黒の中に佇むその姿を見た者は、
畏れと恍惚に声を震わせ彼を呼ぶだろう。

――魔王、と。

サタン「…………

と、魔王の視線が動いた。その先座っている見目麗しい少女。
深海の如く青い髪が波を描き風に揺れている。
魔王は紅き瞳に少女を捉え、言った。

サタン「……一体誰に向かってナレーションをしているのだ?ルルー
ルルー「……えへ☆



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