「ん〜、今日も良い天気。いい汗かいた後はやっぱり清々しいねー！」
　空は晴天風は爽やか。心地よい空気をいっぱいに吸い込み、アルルは伸びをする。
　人里離れた草原でのこと。
「……おい、重い！　どけ！！」
　尻に敷かれたままのシェゾが何か言っているが、無視。
　勝負に負けた人間に、発言の権利などないのだ。
　それこそが実力主義の魔導師道！！

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「シェゾ重い？」　
「当たり前だ！いくらちんちくりんだろうが乗れば重い！」
「・・・・・」
僕はゆっくりジュゲムの体勢に入ろうとした。
「う！悪かった！だからもうやめろ」
「どうしよっかな〜」
「じゃあどうしたらいいんだ？」
「おごってくれるならいいよ」
「・・・・・・・」
シェゾは黙り込んでしまった。シェゾはアルルとカーバンクルが食べる量は底知れない食いしん坊であったから。
「どうしたのシェゾ？」
「他はダメか？」
「じゃあこのまま思いままね☆」
それから数時間が過ぎたころ。
「あ〜ら変態とちんちくりんが何やってるの？」
「ルルー！！今シェゾで遊んでるの！」
「へ〜そうなの？まあ私にはどっちでもいいこどですけれどね。」
シェゾはこの会話中はずっと黙っていた。すごく腹が立ったしうざかったから。
「さてとじゃあこのくらいでいいや。まったね〜シェゾ！」
「今度こそおまえをもらうからな！！」
「変態に興味はないよ〜」

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「それにしても・・あんたも暇ね」
「別に暇だった訳じゃない！ただ勝負に負けただけだ！」
「またアルルに負けたの！？あんたって本当にただの弱い変態に成り下がったのね」
「たっただの弱い変態だと！！」
「あら図星？」
アルルに勝てないことは本当なので女王に言い返すことが出来ない変態。
「それにしても、女の尻にひかれてよく平気でいられるわね・・」
「好き好んで負けているわけではない！」
「あら、てっきりそういう趣味なのかと思ったわ」
「き・さ・ま〜」
あからさまに殺意向きだしの変態は所詮敗者。
それを知る女王は哀れなものをみる目で変態を見る。

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　言い返す言葉を探して口を開きかけるものの、シェゾは結局晴れもしない苛々をフン、と鼻先で払いのけただけでそっぽを向いてしまった。
　眉を寄せた苦渋顔が見つめるのは、魔導師の少女が手を振り去った方角。
　傾き赤みを増してきた陽光が照らす横顔は報復心をたぎらせるでもなく、どこか弱気だ。
「追いかければ？」
　眺めていたルルーが軽く言えば一変、強気になったまなざしが他人を小馬鹿にして振り返る。
「何のために」
「ん〜、仕返しするなり食事に誘うなり、なんなりと？」
　口元へと指をあて、視線を上向けるルルー。
　やっぱり何も考えてねぇ、コイツ。シェゾはあからさまな嘲笑を浮かべる。
「だってあんた、負けて悔しいっていうよりも、フられて傷心、みたいな顔してるんだもの」
「おい、誰がフられ、」
「フられてないの？　てっきりそうなのかと思ったわ。んじゃアルルがいなくなって寂しい〜〜っ！とか？」
「あのな……」
　頭痛に耐えるように、シェゾがこめかみに手をやった。大きく溜息をつく。
　どうなのよ、と目で問うルルーを、彼はジト目で睨む。
「何度も言うが、あいつは単なる獲物だ。俺が欲しいのはあいつの底知れぬ魔導力であって、その他には興味がない。だいたい、"寂しい〜っ！"なんぞ誰が言うかっ」
「うわっ、今の言いかたキモイ☆」
「ぶっ殺すぞ、テメェ」
「本当にそう？」
「何がだ」
「“欲しいのは魔導力だけで、他には興味がない”」
「当然だろう」
「ふ〜ん」
　訊いたくせに。平坦な反応に無感動な顔。
　シェゾが声を低くする。
「何か言いたそうだな」
「別に？」
　と、今度はふいっと顔を逸らす。
「ま、引っかかる部分はいろいろあるわけだけど。いちいち指摘してあげるほどお人よしじゃないし」
「だったらいちいち突っかかるな。何がしたいんだ、お前は」
　疲れきったシェゾの声。
　少しの間が置かれ、ルルーが振り返る。
「ちょっと知りたかっただけよ」
　腕を組み息つく響きは妹を気遣う姉のもの。
　シェゾに向けられた瞳には、押し込められた小さな反発。
「少なくとも、アルルはあんたの事――」
「おいっす！」
　言いかけた言葉は元気な声にさえぎられた。

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シェゾは今いいところなんだぞというような視線をした。がウイッチは
「こ〜んなところでお二人ともデートですの？」
「そんなわけないでしょ！！」
「当たり前だ！だれがこんな筋肉ゴリラ！！」
「なんですって！この変態！」
「筋肉ゴリラ！」
「本当はアルルのことが」
といったところで俺は
「アルルのことなんか好きじゃない！！」
といってしまった。それにルルーは
「私はまだな〜んにも言ってませんわよ？自分でわかってるんじゃないアルルが好きだって。」
「ちっ違う！！」
「あら？シェゾさんアルルさんの事好きだったんですの？意外ですわ。」
「だ・か・ら違うって言ってるだろうが！！」
と話し合っていると。
「何事だ？」
っと変態じじい（サタン）がやってきた。
「サタン様〜☆どうしてここに？」
「アルルという名が聞こえたからな。」
「あ！そのことなんですけれど」
「い・う・な！！」
シェゾは思いっきり叫んだ