君に向けて |
君が好きだから、俺は伝えるんだ。 君に、伝えたくて。 好きだからさ。 君に向けてはなった言葉は、 君には、どううけとめられたかな? 君に向けて 世界中の誰より、君が好き。 二度目。そう伝える前に、君はどこかに行ってしまった。 「なあ、ウィッチはどこだ」 彼女の親友とも言えた女…ルルーに聞いて見た。 アルルのほうが聞きやすい?バカいうな。 ウィッチって単語出しただけで、泣き出したんだから。あれはびくった。 「知らなかったのね。そうか、あんたは各地を転々としてるんだっけ。ウィッチが自慢げに話してたわ」 「居るのか?」 俺がルルーに詰め寄ると、不安げに呟いた。 「………彼女は、あなたが来るっとっくの昔に、交通事故にあったわ。そこまでならよかった。そこまでなら、なんとか」 「よくねえよ!なんで、ウィッチが、交通事故にあってんだ!意味わかんねえよ!」 「……しかたがないじゃない!浮かれてたんだもの。……しかたがないじゃないの…!」 ルルーは悲しそうに、目を閉じて、俺を見た。 「行方不明なの。あなたなら、なにかわかるって、アルルも、私も思ってたわ。……でも、あなたは知らなくて……」 「ウィッチ…」 そして、俺は、外へ飛び出した。 「もう遅いわ。アルルも、私も、シェゾも探したけど、どこにも、いなかったわ。……見つかったのは、……」 「見つかったのは?」 「……」 彼女は、静かに涙を流した。 「ウィッチの死体よ」「うそだ!」 俺は信じたくないあまりに、ルルーを全否定してしまったー。 ごめん、ルルー。 「……信じられないのもわかるわ。私も、最初は信じられなあったわ。でも……本物で……!」 「…………ごめん、ルルー。……ルルーを責めても、意味ないもんな」 俺は、また、旅に出た。 ウィッチの言いたかった事を探しに。 今、探すからな。君を。 君に向けて、愛をささやこう。 |
梅
2012年12月22日(土) 12時39分05秒 公開 ■この作品の著作権は梅さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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