青い愛人2 |
ある、夏の暑い日。 一人の女が・・・死寸前に陥った。 ルルー、ルルー! そう、心のそこから叫ぶ。だが、心肺停止の彼女には、伝わらない。 「ルルー。どうなっちゃうの?サタン」 「大丈夫だ、アルル。ルルー・・・オマエの友人は、きっと・・いや、絶対に、救われる。まあ。神に祈ったところで、私は魔王だがな」 「そっか・・・そうだね!ルルーは、絶対に助かるよ!じゃあ、ボク、カレーの準備してくる!」 「病人食を頼む」 アルルと呼ばれた少女は、元気よく、病院を走って行った。サタンは、ルルーを見て、つぶやく。 「すまない。あの日・・・キミは、私を庇ってくれたな。・・・ははは、立場が逆なような気もするが・・・」 あの日・・ルルーは、サタンの手を引いて、呟いていた。 『好きですよ』と、一言。 サタンには聞こえなかった。いや、確認する前に、彼女は、クレーン車の下敷きになった。前方不注意のクレーン車の運転手に、サタンは激怒した。 カーバンクルが認めた、妃候補以上の恋人を、心肺停止にまで陥らせた、運転手に、サタンは、大技サタンクロスまで、お見舞いしてやった。それを、彼女は許さないだろう。 だが、認めたくないコト・・・ ルルーは、サタンがクレーン車に轢かれると思って、サタンの前に、クレーン車の前に、立ちはばかったのだろう、など、サタンの心は、ズタズタだった。 「なぜ、私を庇った?私は、そう簡単には死すわけでもあるまい。なのに・・・人は、脆いものだ」 「何が脆いって?」 「・・・シェゾ」 目に涙をため、サタンは、声の主を探す。だが、特徴のある声で、カレ・・・シェゾ・ウィグィィだとわかった。 「ルルー、危ないんだろ?アルルが騒いでるよ。うるせえこと。三時間も、魔王の務めをほっぽって。そろそろ戻ったらどうだ?キキーモラもうるせえだろ」 「ルルー、しばらく、ココから、出る・・・」 あれから、十年。 ルルーは、もうすでに、二十八歳になって、十分な年頃になっていた。 サタンは、時を見て会いに来て、また何処かへ行く。 それが・・日常となっていた。 そしてある日。 ルルーが、この世を去った。 サタンは、盛大に泣く。 三年も、月日が立つ。 サタンは、後ろから温かい温もりがある。そんなコトに気づき。その者の名を口ずさむ。 「・・・ルルー・・」 「サタン様。申し訳ありません。あなたを置いていけず・・・」 「ありがとう。・・そうさ、アルルや、シェゾにあったか?」 「いえ・・・これからで・・」 「そうか。会いに行けばいい。喜ぶぞ」 「はい・・・サタン様」 「?なんだ、ルルー」 「好きです」「私もだ」 そして二人は、触れるだけの、キスをしたーー。 終わり。 |
梅
2012年06月27日(水) 21時03分34秒 公開 ■この作品の著作権は梅さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.2 梅 評価:--点 ■2012-12-22 12:55 ID:VjaA/pyFtyY | |||||
華車荵さん、ありがとうございます! まあ、ここからさきは、みなさんの自由ということで!(←え) みてくださりありがとうございます! |
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No.1 華車荵 評価:100点 ■2012-06-29 00:47 ID:nmQ80ubC.so | |||||
うわぁぁぁぁぁ!!るるーーーーー!!!(泣) 折角想いが通じたって言うのにこんな結末なんて……(´;ω;`)シクシク で、でも霊体になって帰ってきたんですねっ!! ルルーさんの優しさとサタンさまの愛に脱帽です。 うん、魔導世界なら有り得る!大丈夫!! ルルーさんがそのまま魔族化って事も有り得るからある意味はっぴーえんd(イヤイヤ ご投稿ありがとうございました〜(*^^*)ノシ |
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総レス数 2 合計 100点 |
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