恋の鼓動、高鳴る時。 |
恋。それは、異性に対して、恋愛感情を抱く。 一つの鼓動の音がしたーー。 「ーーフンフン」 鼻歌交じりに歩いているのは、ウィッチという魔女。 「あ、あれ?」 足を地につけると、ウィッチの視界が、暗転しかける。 「あ、お、おい!」 ちょうどそこを通りかかったラグナスという勇者が、よろりと倒れこむウィッチを受け止める。 「ウィッチ?無事かい?」 「え、ええ。なんとか。うう」 当のウィッチは、こめかみをおさえて気がつく。 「・・私、この状態のまま、いたんですの?」 ウィッチが気にしていること。それは、いつまでラグナスにだかれているか。だ。 「?ああ、すまない。どくよ」 「え、ああ。はあ」 ラグナスはウィッチを持ち上げて降ろしたあと、立ち上がる。 「具合、よくなさそうだから、今日は、ゆっくり休んで。じゃあね。何かあったら、呼んで」 「え、ええ」 ドクン。 ウィッチの鼓動が、一つ。外に聞こえないか心配するくらい、大きい鼓動が。ウィッチにも、原因はわからなかった。鼓動が高鳴った、その瞬間は。 そうですわ。もしかして、ラグナスさんに・・ すでに付き合っているという噂をよく聞く、アルルの元に行けば、それがなんなのかわかるはず。ウィッチは、少し焦っているのか、アルルの家へと、かけあしで向かう。 「え?鼓動がなったら、どうなるか?」 アルルに質問すると、アルルは、考えた。 「でも、さ。ドキッとする場面ってさ、いくらでもある気が・・ウィッチ?」 「そうですの・・・お邪魔しましたわね。どうぞ、シェゾさんとのお時間をたっぷりと」 「えっと、いや、付き合っているってだけで、まだ同居とは・・・シェゾ?」 「・・・・・・な」 「はい?」 シェゾがつぶやいた言葉に、アルルは、素っ頓狂なことを言ってしまう。その隙に、ウィッチはそそくさと、アルルの家から退散した。 「アルル・・そういうなんて・・男冥利に尽きる」 「尽きなくていいッ!・・・あれ?ウィッチ・・・?ウィッチぃぃ!」 その叫び声は、無論、ウィッチには聞こえていない。 「はあ」 ウィッチは一人でため息をつくと、後ろから、 「どーしたのー?」 ラグナスが現れた。ウィッチは、固まってしまった。 「おーい。おーい。ウィッチさーん」 「・・・・・はっ、ああ、ラグナスさん、ですか・・て、ラグナスさんですの?!」 「・・・そんなに驚かれると、ちょいとショック。オレ、なんか、した?」 「い、いえ」 それは、驚くでしょう。そうウィッチは心の中で、つぶやいた。 「うーん。ちょい、当ててい?」 「な、なにを?」 「キミ、まさか、オレを好きになってる?」 「・・・え?;」 ラグナスは、平然と、ウィッチの思考を読んだ。たとえ勇者といえども、そんな能力があったとは、初耳であった。 「あ、勘。勘だから。当てずっぽう。オレに思考読む能力ナシ。・・・あったら、ウィッチのやって欲しいコト、できるのになあ」 そのラグナスお言葉は、嘘か真実か。 「それは・・・ほんとうですの?」 「え?まあ、出来るなら・・て、やるの?さっそく」 「ええ!付き合ってほしい!ですわ」 「うーーん(ぽりぽり)・・・いいよ、やってやる」 こうして、魔女と勇者は、ある縁からの恋人となれたのだった。 「アルル・・逃げないで」 「逃げるよ!フツー!もーっウィッチー!」 この二人は、まだやっていた。 終わり。 |
梅
2012年04月30日(月) 11時16分35秒 公開 ■この作品の著作権は梅さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 華車 荵 評価:100点 ■2012-05-01 02:07 ID:/g6aVqqyrDA | |||||
こんばんは! ご投稿ありがとうございます! うっは〜〜〜vvvらぐうぃらぐうぃらぐうぃらぐうぃらぐw(ry ……こほん、失礼。興奮してしまいました(*´д`*)ハァハァハァアハァ なにこれカワイイ!マジカワイイ!!ウィッチのピンチ(?)に颯爽と現れてキャッチするラグナス、流石勇者様これは惚れます。 ウィッチとラグナスの会話がほのぼのでいいですね!ってかラグナスが普通に攻めてるww私には書けない領域なので羨ましいです!!(何) 美味しくもぐもぐさせて頂きました!ありがとうございますっ(`・ω・´) |
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