紅葉 |
−−サタン様これからも、側にいさせてください−− 紅葉 少しずつ肌寒くなってきたこの季節、一人の女性が一人の男性を見つけるため、慌ただしく捜し回っていた。 「サタン様〜〜!何処におられるのですか?」 彼女の名はルルー、 何故こんなに城の中を走り回っているのかというと、目的は、この城の主『サタン』を探していたのだ。 「折角紅葉が楽しめる時期になり始めたから誘おうと思ってたのに・・・」 そう言いながら窓の外を眺めてみると、まだ完璧とまでは行かないが、後幾日かすれば、見事な色をつける木々が立ち並んでいた。 愛しい思い人と一緒に景色を見たいという思いが彼女を引き立たせ、また探し始める。 「・・・・・・あとまだ見ていないところと言えば、書室しかないわね。サタン様居ると良いな。」 廊下を走りながら目的の場所に足を運ぶ。 「サタン様?いらっしゃいますか?」 しばらくしても返事がないので、ドアを静かに開け、中に入る。 「サタン様、居ませんか?・・・何処に行ったのかしら」 ルルーはタメ息をつきながら、書室の奥に行っていると スー スー スーッ 規則正しい音が聞こえて聞、気になってのぞいてみるとそこには愛しい思い人が眠っていた。 「サタン様こんな所で眠られると、風邪を引きますよ?」 しかし起きない・・・ タメ息をついてルルーは一度書室を出ていき、持ってきた毛布をサタンに優しくかぶせた。 「サタン様ったら、よく眠っていますわね」 自分よりも遙かに年上で偉いのに、何処か抜けてて、何時も人なつっこい笑顔を絶やさない。側にいて、一緒の時間を過ごせるのが自分にとっての幸せ。 今は、本当の気持ちを受け入れてもらえなくても、きっと何時かは答えてくれると思って自分はサタン様の隣にいる。 「私は、この命がある限りあなた様のことを思い続けます。」 だから、側にいさせてください。 ルルーは儚く微笑み、書室を後にした。 彼女が立ち去った後。 クスクス 「カワイイ奴だな。寝たふりだとも気づかずに」 ルルーは自分のことを純粋に思い続けてくれている。 私はルルーに何もしてないのに、それでも彼女は自分のことを慕い続けている。 本当は自分にも彼女への特別な気持ちがあるのに、わざと気づかないふりをしている。 (このまま時間が止まればいいのにな・・・) ゆっくりと体を起こし、彼女の待っている部屋へ足を運ばせる。 「あら、サタン様起きられたのですか?」 「ああ、少し喉が渇いてな(苦笑)・・・ルルー、」 「はぃ?」 「今度、一緒に紅葉を見に行こうか勿論、二人でな」 †終わり† |
桜
2005年10月02日(日) 02時25分03秒 公開 ■この作品の著作権は桜さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.2 桜 評価:20点 ■2005-10-23 16:17:11 ID:y3ImkrzNwt. | |||||
感想有り難うございます。 こんな未熟者ですが、此方こそ、これからもよろしくお願いします。 |
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No.1 華車 評価:100点 ■2005-10-20 23:45:17 ID:KBkoNExVYf. | |||||
初めまして〜w甘甘サタルルですねw ほんわかラブでとても良いと思います。 サタン様がちょっといたずらっ子っぽいところがまたvv そしてサタン様の科白がちょっぴり切なげ。 これからも宜しくお願いしますねw |
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総レス数 2 合計 120点 |
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