おいっす!
ベッドから動きたくないのです。

目からとめどなく涙が溢れてきます。

新聞に小さく載っていました。

いかりやさんがもうこの世にいらっしゃらないことを―


自分とはかけ離れた場所にいる、異国の方。
それでも、私は彼を素晴らしいエンターテイナーとして尊敬していました。

芸への真摯な態度。

職業は全然違うけれど、私は仕事をするときはこうあるべきだ、と思いました。


そしてあのおきまりのギャグ。

私もよく真似ていましたわ。

どの方にも今一つ面白さが伝わらなかったのは残念でしたけど。

あっ、正確には一人だけ、興味津津で由来をお聞きになった方がいらしたけど。


「ウィッチ、いる?」
玄関の向こうにラグナスさんがおいでになったようですわ。

ベッドから出て、ヨロヨロと玄関前に立ったけど、泣き顔を見られたくなくてな
かなかドアを開く勇気が出ません。

「ラグナスさん…申し訳ありませんが今日はお帰りになって…」

声まで涙声になってますわ、恥ずかしいこと!

「うん、すぐ帰る。

いかりやさんが死んじゃったら、そりゃあ凹むだろうから」

やっぱり彼も御存じでしたわ。

唯一人、私のギャグ語りをうれしそうに聞いて下さる人、それがラグナスさん。


「だけど、一言だけ伝えたかったんだ」

「え…?」

「俺思うんだ。

こんな遠い国にまでファンがいるってわかったら、きっとすごくいかりやさんが喜んでいるんじゃないかって。

俺が言うのもなんだけど、ウィッチにこれからもいかりやさんのファンをずっと続けて欲しい。」

「ラグナスさん…」

いい返事がでてきませんわ。

わざわざおいでになって、慰めの言葉まで頂けるなんて、私はとても恵まれています。


「早く元気になれよ!」

そう言って走り去ってゆくラグナスさんの足音がしました。


ラグナスさん、あなたのおっしゃる通り私は一生いかりやさんを応援し続けますわ。


翌日、私は外に出ることにしました。

ほうきに乗って空を飛んでいると、元気がわいてくるような気がします。

地上で道行く人の中に大好きな彼がいるのを発見したので、いつものように挨拶をしました。

「おいっす!!」
2004年12月09日(木) 19時56分59秒 公開
■この作品の著作権は碧さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めてのラグウィ小説でお題01を書かせて頂きました。
シリアスにもコミカルにもなっていませんね、寧ろ意味不明…f ^ ^;
失礼しました〜m( _ _ )m

この作品の感想をお寄せください。
No.5  シルラ  評価:100点  ■2007-03-14 11:15:20  ID:e/RGHn8JBCY
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ウィッチの「おいっす」の一声は、なかなかキャラクターの中ではいませんよ。というかウィッチのギャグ語りはほとんどドリフ調の声が多いですよね?
ウィッチが出てくる時点で私はつい笑顔がでちゃうんですよ。私はぷよキャラのなかではウィッチが一番すきなんです〜。
No.4  藤宮  評価:100点  ■2005-12-25 17:43:01  ID:IsxZm/z4LeU
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 ウィッチに「おいっす」って言わせる時点で、あの方はこの世界での「公人」でしょうから、出しちゃってもいいかなぁと。
 むしろ、新鮮な切り口で目からウロコでした。
No.3  碧  評価:0点  ■2004-12-10 22:47:35  ID:/glF1uLDSLk
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一応作品で私用された名称は「公人」としての芸名なので、問題ないと考えていましたが、不都合であれば荵様遠慮なく削除お願いします^^;
(パスは12です)
No.2  リュウ  評価:20点  ■2004-12-10 07:06:12  ID:tjAemY01kIY
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人のことは言えんけど・・・・
出して委員ですか?!あの人を・・・・
うちの学校でもあの人がお無くなりになられてから、泣いて悲しむ奴が居たな〜・・・俺もファンなんですよ。実は。
No.1  華車 荵  評価:100点  ■2004-12-10 03:45:28  ID:BH4G.dZ0sJM
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な、ナルホド!そう来ましたか!!(笑
まさかいかりやさんが出てくるとは!!
驚きです(笑
いやいやいやw素敵ですよ〜vv
ウィッチを慰めるラグナスがカッコイイですvv(*/∇\*)キャ
情景がしっかり浮かんできましたv
素敵小説有難うございますvv
総レス数 5  合計 320

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