魔と人 |
人と魔人の寿命は違いすぎる。 たとえば魔に属するものの1年は人間にしてみれば、30年前後と思われる。 コレは極端な例だとしても人より魔の寿命はそれくらい長いのだ。 そして魔人は人を愛し、一緒に過ごすのは魔人にとっては戯れ程度の時間にしか過ぎないのだ。 今サタンは一人の人間の女に迫られている。 サタンの方もまんざらではなさそうだが、その娘が死ぬまで愛し続けることに自信が無いのだ。 サタンは一度世界が滅びる瞬間に立ち会ったことがある。当然、その世界ではすべての人や魔物が死んだ。 しかしサタンは生き残った。 ある種の「神」だからだ。 しかしその「神」も一度は恋をし人を愛した。 だがその世界は消え去りその女もきえた。 そのときの気持ちをサタンは今でも忘れられずにいる。 あの時の様な気持ちを思い出したくない。 そんな心の叫びがサタンに人を愛してはいけない。 そう聞こえるようだった。 だからサタンはこの娘といる時間を― 1分1秒を大切にしているのだった。 人を愛したくない。 愛する人と一緒にいたい。 人も魔も― サタンは今自分の屋敷のテラスにいた。 そう、例の少女、ルルーとだ。 「・・・・サタン様、どうしました?」 「ああ、ルルーか。いや、少し考え事をな。」 「何を考えてらしたのですか?」 「いや・・・・」 サタンは蒼い大空を見上げ 「人も魔も・・・なにかを愛するという気持ちは・・・ 大して変わらないものだな。」 そういったサタンの表情はどこかさびしげで しかしどこか暖かいモノがあった・・・・ |
リュウ
2004年12月07日(火) 16時20分37秒 公開 ■この作品の著作権はリュウさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 華車 荵 評価:100点 ■2004-12-08 08:58:09 ID:ZHz0YBYFNfY | |||||
おぉ!?なんか凄い良いですvv サタン様の心情がひしひしと・・・vv 傷付くのが怖いから愛する事を拒む。それでも何かを愛さずには居られない。 それが生きとし生けるもの全ての性なのかもしれません。 つーわけで、とっとと認めよ!サタン様!!(ぉぃ どう足掻いたって貴方は彼女から逃げ切れませんv色んな意味でvv(意味深/マテコラ |
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総レス数 1 合計 100点 |
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