そんなあなたたちが大好きです。 |
ソレを前にして闇竜は溜息を吐いた。 いつものお昼。 いつもの食堂。 見慣れすぎているはずの住処。 が、見慣れないものがそこにはあった。 ――黒い塊。 炭のような。いや、炭だ、これは。 「…………」 「…………」 そしてその大きな炭の塊――元の名をテーブルという――を挟んで睨み合う男女。 彼の主であり歴史上最強最悪の闇の魔導師になる(はずだった)シェゾ・ウィグィィと、歴史に名を刻む超一流の魔導師になる(予定の)魔導師の卵アルル・ナジャ。 「オイ、てめぇアルル、いきなりファイヤー撃つとは何事だ?」 頬を引きつらせて声低く、先手を切ったのはシェゾ。 ここに最強を目差す魔導師同士、戦いの火ぶたが切って落とされたようだった。 「キミが……」 迎え撃つはアルル。 俯いて声を震わせ、肩をわななかせている。 そして涙を浮かべたままキッと目の前のライバルを見据えた。 「キミがっ、ボクが大事にとっておいたふくしんづけ食べちゃたんじゃないかー!!」 「…………」 「なっ!? お前が残してるから貰っただけじゃねーか!!」 「残してないもん! 最後に食べようと思ってとっておいたんだもん!!」 アルルの泣きじゃくり攻撃。シェゾは動揺している。ちょっとつらそうだ。 「そんなこと知るかっ! つーか食う前に言え!!」 「言う前に食べちゃったんじゃないか! だいたいふくしんづけをカレーに混ぜて食べるなんて外道だいっ!!」 「ふくしんづけ食うのにルールなんてないだろう!?」 「カレーの味が変わるじゃないか!!」 「良いだろう! アクセントになって! こう、ちょっと変わった味が欲しい時とか……」 「ボクのカレーが飽きるっていうの!?」 「そうとは言ってないだろ!」 「だいたいシェゾはいつもいつもボクが持ってるの欲しがって……」 「俺が欲しいと思ってたもんをたまたまお前が持ってただけだ! 偶然だ! 大体お前がくれたことなんてなかったじゃねーか!」 「そんなこと言ったって、あげようとしたり返そうとしたら断るじゃん! お前に負けた自分への戒めとか格好つけちゃってさ」 「そりゃあの時は――」 ……ズレた論点は、激しいまま思い出話へと姿を変えていく。 結局はいつもの痴話喧嘩。いつもの風景。 (早く終わらないかなぁ〜) こういう時は変に口出しすると睨まれる。 後片付けを少しだけ憂鬱に感じながらも、長い尻尾をパタパタさせながら闇竜は二人を見守っていた。 |
華車 荵
2014年12月20日(土) 10時47分49秒 公開 ■この作品の著作権は華車 荵さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.2 華車 荵 評価:--点 ■2014-12-22 22:52 ID:eJLaGfBmCU2 | |||||
うわぁぁぁっ! りりりれりさんお久しぶりです!!>_< お元気でしたかっ!? 感想ありがとうございます! 闇竜やリュンクス可愛いですよね。癒しが降ってくる……まさにそんな感じです! 私も時々やるんでアルルさんに怒られますねw(・ω<) テヘペロ アルルさん、カレーはカレー、付け合わせは付け合わせって拘りそうだから……(笑) ほんと闇竜お疲れ様! でも闇竜もそんなシェゾさんとアルルさんが好きなんですよ、きっと。 多忙な日々お疲れ様です! りりりれりさんの作品、完成するの待ってますよ〜(´ω`*) |
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No.1 りりりれり 評価:50点 ■2014-12-22 20:34 ID:TvdnLK10luM | |||||
シェアルだ、ごちそうさまです。 確かに闇竜やリュンクス可愛いですよね。こう、癒しが降ってくる! 福神漬けか……私はシェゾと同じように混ぜて食べちゃうんですけどアルルに怒られちゃいますねw 闇竜お疲れ様! 私事ですが最近忙しくて来れてませんでした! 作品執筆頑張ってください! |
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総レス数 2 合計 50点 |
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