偶にはこういうのも、ありでしょう?
3/16

あぁ、今日は自分の誕生日だったかと思い出したのは日めくりのカレンダーを二日ぶりにめくった朝(ただし朝とはいっても10時ではある)のことだった。

思えば今日は自分らしくもない日である。そもそもまず、朝に起きるという健全な行動だ。シェゾ・ウィグィィは基本的に夜型の人間である。であるからして普段から起きるのは早くても太陽が頂きを超えた後なのである。
そこでようやく3/14でめくっていなかったのを思い出した。

要はまぁホワイトデーというしち面倒な行事ではあるがバレンタインデー…女から気のある男への告白という意味を込めたこれまた甘ったるいチョコレートを送る日のお返し兼返事を返す日にアルル…自身の恋人の元へ「お返し」を渡したのだった。

ついでにそのまま泊まってもう一つの「白い日のお返し」をした訳だがまぁ今はそんなことは置いておこう。



閑話休題




「まだ、しばらく街にいてよね!」

そうだ、アルルの家を出たとき、確かそんなことを言われた気がする。このためか、と納得してアルルのセリフな理解したがそれでも自分の行動は理解しがたい。

「楽しみだった、というわけか」

自嘲的に笑みがこぼれる。まさか覚えてもいなかった癖に無意識化で期待していたと。

「餓鬼か俺は。」

寝なおそう、そう思ってベッドに戻ろうとするとドアをたたく音が聞こえる。

「シェゾ、いるか?……きちんと家にしばらくの間いろとアルルは言ったらしいし、いるとは思いたいが…まさかすでにどこかの遺跡に探索に行った、とかではないだろうな…?」

どうやらシェゾ自身の恋人とよく似た容姿をもつ少女の恋人であるこれまたシェゾ自
身とよく似た見た目ではあるが色が正反対の奴が来たようだ。無視してもいいがあとで無視したことがばれたら面倒だと思い扉を開けて話を聞くことにする

「なんだ、ドッペル何か用か?」

「なんだとはなんだ、なんだとは、いるならさっさと出てこい。…ほらよ。これを、渡しに来たんだ。今日渡してほしいとな早く受け取れ。」

ごそごそとDシェゾが亜空間から手紙と思われるものを取り出し差し出す。
受取差出人を確認すると アルル・ナジャ と書いてある。
そこでふと、疑問に思う。どうせ頼むならアルルのことだルルーやDアルル、ウィッチといった同性の友人に頼むはずだ、なのになぜかもってきたのはドッペルシェゾ。気になったら聞く。その権利くらいはあるはずだ。そう思い疑問をぶつける

「お前が頼まれたのか?珍しいな。」

と聞いてみれば、少々ばつが悪そうにではあるがドッペルは口を開いた。

「…元はディーアが頼まれていたが…。動けないとなれば俺が届けるしかないだろう。」

ほのかに浮かんでいる喜色から全てを察して

「(俺も人の事はいえんが)…あまり負担をかけるなよ。」

と心の中で注釈を付け足しながらも扉を閉めて手紙の内容を確認する。
…内容を要約すると

『午後6時、アルル宅に来られたし』

といったようなことが書かれていた。
その時間に来いということならばまだ時間はたっぷりとある出かける気にもならないし、先ほどやめた二度寝を試みた。






次にシェゾが起きたのは5時間後のことだった時計を見ればドッペルと話していた時間や意外と考え事をしていた時間も長かったのか約束の時間は残り1時間を切っていた。

「ちっ…急ぐか。」

簡単に身支度を整え、行く準備をしてみれば約束にはちょうどいい時間だ。テレポートを唱えてもはや行き慣れたアルルの家のドアをたたくとぱたぱたと走る音が聞こえるそして扉の鍵を開いてから「どうぞ!入ってきていいよ!シェゾ!」といわれ扉をあけると


「パァーンッ!!」


と大きめの音を立ててクラッカーが自分の方に向けて鳴らされた。何かしらあるであろうとは思ったがやはり驚くもので面食らった顔をすると

「あははっ!驚いた?誕生日おめでとう!シェゾ!さ、中に入って?ご飯作ってあるんだ。」

と言われ中へ勧められた。
飯が作ってある、と言われまぁ十中八九カレーか…と思いきや以外にもその予想は外れた。
色も内容物もそんなには変わりはないが…

「…?ビーフシチュー、か?」

口からこぼれたように言葉が漏れるとアルルが悪戯が成功した子供のようににんまりと笑いながら

「うん、ディーアとルルーから、みっちり練習受けて頑張って、手作りしてみたんだ。」

さらに甘過ぎるのは苦手なシェゾのためにケーキも自分で作ったチーズケーキだと言うではないか。
感謝の情というものがわく瞬間はやはり嬉しいことがあった時なのだなと改めて感じられて素直に言葉が出てくる。

「…ありがとな、アルル。」

優しくアルルを抱きよせて頭を撫でると嬉しそうな声が下から聞こえて来て抱きしめ返してきた。

「どういたしまして。ねぇ、シェゾ?」

「なんだ?」

「偶には、こういうのもどう、かな?」

顔をあげて笑顔を見せるアルルに対して

「悪くはないな。」

と言ってからにやりと笑い、形よくほほ笑むアルルの唇にひとつキスを落とした。
宮池
2014年03月16日(日) 23時14分54秒 公開
■この作品の著作権は宮池さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
誕生日だったので、ささっとかきました。読みづらかったらすみません…っ!(><)

この作品の感想をお寄せください。
No.2  りりりれり  評価:50点  ■2014-09-20 22:11  ID:TvdnLK10luM
PASS 編集 削除
なんでこんなにも素晴らしいシェアルがあるのでしょうかっ!
ああああ、いいですシェアル最高です。
No.1  華車 荵  評価:50点  ■2014-03-17 00:17  ID:8hHKZzD0t4k
PASS 編集 削除
 くっ!! シェアル可愛すぎる!!
 恋人同士いいですね。滅茶苦茶和みました。無意識に誕生日を期待しちゃうシェゾさん可愛いですねw
 餓鬼じゃないよ! 仕方ないんだよ! だってアルルが祝ってくれるんだもん!!←

 現状にまだ違和感を覚えつつも自分がアルルにベタ惚れなのを再認識してしまったが故の自嘲だったら美味しいです(*´ω`*)ハァハァ

 アルルさんもシェゾさんも幸せそうで私も幸せです!

 ってかディーシェさんwwwww
 もうみんな幸せそうでわたしゃ嬉しいよ!!

 シェゾさんもディーシェさんもお誕生日おめでとうございます!!
総レス数 2  合計 100

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス(必須)    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除