困った時にこそのOoO |
<div align=center>「きゃあああああああ!!」 物静かだったはずの洞窟には、少女の悲鳴が響いていた。 「っの!ファイアー!」 その少女、アルルは、追って来る魔物から、必死で逃げようとしていた。 アルルの攻撃は、確かにその魔物に当たっていた。だが、魔物は、そんな攻撃は掠りもしていないとでも言うように啼き、追って来るのだった。 「はぁ、はぁ、もう、誰でも、いいから、助けてよ!」 アルルは、一人で洞くつ探検に来たはいいものの、魔法が効きにくい、否、ほとんど機械魔物3体に襲われ、1体も倒せないまま、魔力が底を突こうとしていた。 「もうこうなったら!るいぱんこっ!!」 一種の運試しだった。だが、やらないよりはまし、と、魔法を唱えた。 「なななっ!なんだぁ!?」 どうやら運はあったようで、シェゾが現れてくれた。 「あ!シェゾ!助けてっ!」 「な!アルル!お前の仕業かっ!」 「いいから早くなんとかしてよ!こいつら魔法が効かないんだ!ボク、もう魔力が残ってないんでよ!」 「何?!知っ。分かった。ったく仕様がねぇな。」 アルルは、魔物が追って来る轟音の中、何とか用件を伝えることができた。 だが、そのうちにも、魔物はどんどん迫ってきていた。 「闇の剣よ!切り裂け!」 「ギャオオオオオオ!」 1体の魔物は、轟音をあげながら、シェゾの攻撃によって倒れた。 このことにより、ほかの魔物もひるみ、動きが止まった。 「どうやら、魔法に強い分、直接攻撃には弱かったようだな。そうと決まればこんな奴等!」 シェゾは、残りの2体も、同じように一気に倒してしまった。 「おい、大丈夫なのか、アルル?」 シェゾは、アルルを助け出せた安堵を隠しながら、そう訊いた。 少し向こうで息を整えていたアルルは、満面の笑みで振り向き、 「シェゾ、ありがと!!」 と言った。 このしぐさに、シェゾは、不覚にもときめいてしまっていた。 「あ、あぁ。///」 「あー!シェゾ、照れてるー!かっわいぃーv」 「喧しい!」 シェゾは、何かを思いついたように、にやりと笑い、 「アルル、助けてやった貸しは、返してもらうぞ?帰ったら覚悟しとけよ?たっぷり可愛がってやる。」 と、耳元で囁いた。 今度は、アルルが赤くなる番だった。 「な!!こんの、い闇の変態魔道士!」 「ハ、なんとでもいえ。」 シェゾは、心底楽しそうな、優しい、アルルにしか見せない顔で笑うのだった。 「そら、早く帰るぞ。今ならテレポートで「俺の家まで」送ってやる。それとも、そんな魔力がない状態で、何が起こるか分からないこんな洞窟を一人で歩いて帰るのか?好きにしろよ。」 シェゾは、勝ち誇った様な顔で言った。 「ぐぬぅぅぅぅ。」 アルルは、心底悔しそうな声を出し、そして、 「分かりましたー!送ってくださいーだ!」 諦めた。 「くくく。じゃ、帰るか。しっかりつかまってろ。帰ってからが楽しみだ。なぁ、アルル?」 「あうぅぅぅぅぅぅ。」 心底楽しそうなシェゾを睨む、心底悔しそうなアルルだった。 次の瞬間、二人の姿は、闇の残像を残して消え去っていた。</center> |
HAL
2008年08月02日(土) 20時10分52秒 公開 ■この作品の著作権はHALさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 向日葵 評価:30点 ■2019-02-21 21:21 ID:yAzEL97eh3. | |||||
シェゾのSっぷりがカッコいーい! このあとのアルル達が気になります! |
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総レス数 1 合計 30点 |
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