闇に隠れて |
世界は、闇に包まれているのか? 彼女は、考えた。 だが、考えたって出てこない。 その問題は、酷く難しく、本人の考え方じゃあ、とてもたどり着けなかったからだ。 彼は言った。 「包まれてるんじゃなくて、隠れてんだよ。多分」 一言余計な彼に、彼女は薄ら笑いを浮かべた。 「闇に隠れる?まるで、ボクじゃないか。馬鹿らしい事を考えるな。あはは!」 「馬鹿はお前だろ。包まれたなんて考えるのは、お前と…あいつだけだろ、あいつ。ルルー」 「……何でそこでルルーが出てくるの?」 「過去に一度だけ、あいつから聞かれたことがあるんだ。………」 その時のボクは、多分酷くふてくされていただろうな。 だて………本当のことだもん。 「シェゾなんか、大嫌い」 「は?」「バカ、変態、アホ、変態」 「変態がなんで二回も入って来るんだ!余計だ、よ・け・い!」 「………浮気者」 ポツリとつぶやいたボクに、シェゾは慌てて言った。 「はあ?俺は、お前を……………。いや、お前以外、愛したことも、意識したこともない!」 見え透いた嘘。シェゾなんて、大っ嫌い! 「俺は、お前を愛している。好い加減、そういうの、やめてくれよ!」 ああ、もう、バカ。 そんな言葉一つ一つに浮かれるなんて。 ああ、ボクのバカ。 ありがとうシェゾ。 大好き。 |
梅
2012年12月23日(日) 09時24分00秒 公開 ■この作品の著作権は梅さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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