人は見かけによらず… |
「はぁ、どうしよう…」 アルル・ナジャただいま人生最大の危機ってやつを体験してます。 「どうしよう…今回の試験赤点取ったら… た、退学のおそれがぁぁぁっ!」 ボクはいっつも迷宮探索をしたりするから休暇をもらう事もしばしある。 おかげで筆記は捨てたも同然。実技はトップクラスだけど、そんなんで とれる単位はほんのちょぴっとだ。 「うー…ここで退学になるというわけにもいかんし…」 「……そうだ!勉強がわかんないなら、教えてもらえばいいんじゃん! …って、誰に教えてもらおう…スパルタっぽい人は嫌だし…」 「サタンは…絶対だめ。あんなのとやるなら、一人のほうがはかどるな。 ルルー…だめだよなぁ…じゃあ残るは…シェゾしかいない!」 消去法でそれしかないって言うのもあるけど、シェゾならきっとスパルタじゃない!それはあの生活ぶりからも明らかだ! そういうわけで、ボクはルルーがサタンを追いかけるくらいのスピードでシェゾの家にいった。善は急げ! …でも、後からワープを使えばよかった、って思ったのはここだけの話。 ボクはシェゾを色気でだまして勉強を教えて貰うことに…って、ちっがーう! 正しくは、ボクはシェゾをカレーで釣り、じゅげむで脅して教えてもらうことにした。 その成果は、 「仕方ねえな。明日教えに行ってやる。俺についてこられれば学年トップを保障するぞ。ただし、ついてこられたら、の話だけどな。」 という嬉しい返事が返ってきたのだ。 だが、人生そううまくいかないもの。 勉強中のボクの不幸の一部を話すと… 「…ねえ、シェゾ、ちょっと休憩しない?」 「はぁ?何言ってんだ。まだ2時間しかやってないぞ。そんな根性なしだから赤点ばっか取るんだよ。そんなに休みたきゃあ、とりあえず後10問終わらせろ!話はそれからだ!」 …ボクは大層腹が立ったので、 「〜〜〜、シェゾのオニーーーーーー!!!!!」 とだけ叫んでおいた。 とまあ、ボクはこんなふうに泣きを見る羽目になりました。 でも、 「ついて来れればトップを保障する」 この言葉どうり、ボクは学年トップを独走。いちやくヒーローになれたわけだけど… あの教え方は酷い!実に酷い! シェゾはあれからボクの家に泊まりこみ、放課後は図書室やボクの家とかで夜遅くまで勉強。 朝は5時に叩き起こされ、朝ごはんを食べつつ遅刻ぎりぎりまでみっちり勉強。 それをしっかり試験の日まで続けられた。 退学の心配もなくなるどころか、成績まで上がって嬉しかった。 だけど。超スパルタなシェゾに腹が立ったから試験後に特大ジュゲムをおみまいしてやった。 もうシェゾに勉強なんて教わるかっ! …人は見かけで判断するなって言うけど、シェゾがいい例だよ。 そのあと、彼女が赤点を取ることはなかった。 しかし、試験があるとあのことを思い出すのか、試験後にはボロボロのシェゾがあちこちで目撃されたようである。 それでスクールの生徒の親が試験の日を知り、怒られた生徒が後日やつれた顔でスクールに来るのを、アルルは知らない。 |
アクア
2012年08月03日(金) 21時11分17秒 公開 ■この作品の著作権はアクアさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 華車 荵 評価:100点 ■2012-08-04 05:23 ID:YZTOJbkVUXk | |||||
おおー! アクアさんの小説だ。お疲れ様です(*^^*) シェアルお勉強ネタ良いですね!! >>ボクはシェゾを色気でだまして勉強を教えて貰うことに…って、ちっがーう! え、本当に色気で騙せばよかったのにwwと思ったシェアルストは私だけじゃないはず(ぉぃ) スパルタ受けたアルルも災難ですが、親切心(?)で勉強教えたはずなのにジュゲム撃ちまくられるシェゾさんもやっぱり災難ですねwww ボロボロ具合で試験期間が知られるとか、シェゾさん軽く有名人!w(笑/事じゃない) 面白かったです(*^^*) 欲を言うなら、もうちょっとアルルとシェゾの勉強風景を見てみたかったな、と思います。 きっと、勉強中にふと手が触れたり、真剣に教えるシェゾの横顔にアルルがちょっとときめいたり、シェゾはシェゾでアルルの戦いの時とは別の真面目な表情に感心したり、なんてシチュエーションがあったはず!!と思っています。 次の作品も期待してますね!! |
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総レス数 1 合計 100点 |
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