初夏寝。

「なにしてるの?コイツ・・・・。」
魔導師の卵アルル・ナジャがみた光景はそれはそれは滑稽なものだった。
というのは、目の前の『アイツ』が原因だった―。
「ありえない・・・。」
アイツは起用に寝ていた。
足をからませ、黒いマントをひざにかけて・・・
そこまでならまだいい。問題はアイツが寝ている場所だった。
寝ていた。闇の魔導師シェゾ・ウイグィィは。
 ―緑の葉の桜の木の上で。
「どうやったらあんなところで寝れるんだろ?」
パッとみただけじゃ人が寝ているなどおもわないだろう。
それに本来人が寝る場所でもない。
「(でも・・・気持ちよさそう・・・)」
風が吹くたびにシェゾの美しい銀髪がゆれる。
「だれもいないし・・・いいよね?」
アルルは木を少しずつ、慎重に上り始めた・・・。


「・・・・・」
「・・・・・」
「?」
む?オレは・・・そうか、桜の木で寝ていたんだ。
ずいぶんと時がたった・・・。
早く帰らなくては。リュンクスが心配する。
でも・・・なんか・・・
肩が重い。
オレはそっと目を開いた・・・・・。
「アルル!?」
「ほえ?」
ずいぶんとマヌケな声をだして、アルルがおきた。
なぜにコイツがココにいる?それに・・・
「あ!シェゾ!ご、ごめん!あんまり気持ちよかったんでつい・・・」
どうしてオレの膝をマクラ代わりにしていた・・・?
「フン。バカなやつめ。」
「なっ!?バカとはなんだ!それに・・・
ざっ!!
「う、うあああ!?」
ぱしっ!!
「大丈夫か?」
オレはアルルの手を握り、引き上げた。
「た、助かった・・・」
―オレが助けなくては絶対に木からおちていたハズだ。まったくコイツは・・・。
結局いろいろと文句を文句言われたが上ったくせに降りられないとかなんだと
言い出して、転移魔法でおくってやった。
「あ、ありがとう。」
お礼を言われた。
風が吹いた。
帰り道桜の葉がゆれるのを見た。
―もうすぐ、夏だな。


                         〜完〜
桜流
2012年01月01日(日) 19時57分28秒 公開
■この作品の著作権は桜流さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めての投稿です☆
季節はずれ?なにそれおいしいの?精神で冬に書いた初夏の話です☆
感想いただけると私がPC前で踊り始めるくらいうれしいです(^^)

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No.5  璃菜  評価:--点  ■2012-01-05 16:12  ID:3Pj9WlKq1Zo
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シェアルいいです〜
ぼのぼの感さいこーですっ!
No.4  華車荵  評価:100点  ■2012-01-05 02:39  ID:6wOyXb2OVqM
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 小説投稿ありがとうございます。
 寒くてガタガタなのに、心がほっこりしました(*^^*)
 無防備すぎるアルルと、そうやって無防備に近付いてくる彼女を許してしまうシェゾ。すごく良いですね。なんだかんだ言ってお互い気になってるんだな、というのが表現されていて嬉しかったです。
 転移魔導で送って……シェゾさん、さりげなくボディータッチですね(*/∇\*)キャ
 頬を紅らめてお礼を言うアルルとそれを見て笑むシェゾ、という図が浮かんで(・∀・)ニヤニヤでした。
 初夏の匂いに、彼は何を思うんでしょうかね。

 ほのぼのシェアル、ご馳走様でしたvヽ(´ρ` )ノ
No.3  もんぶらん(銀杏)  評価:--点  ■2012-01-04 17:27  ID:S1sAw2na0VY
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描写の表現がすごいと思いましたっ!
妄想すると和むww
No.2  アルナ  評価:100点  ■2012-01-04 14:21  ID:lZVBuJzx3sc
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こういうほのぼの大好きです^^
シェアルごちそう様でした!!
No.1  なむ  評価:100点  ■2012-01-03 11:46  ID:lhBjYp5dcO.
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シェアルいいですね!お互い放っておけない感じが出ててすごく良かったです!季節はずれなんて気になりません(笑)
総レス数 5  合計 300

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