ひとときの別れ |
よく晴れた日の午後のこと。 「ホントは今日も一緒にいたいところだが、どうしても抜け出せない用事があるんだ。帰るのは夜中か、明日の朝になると思う」 黒いマントを羽織った銀髪の青年が、栗色の髪をした少女に別れの挨拶をした。 一見、シェゾとアルルに見えるが少し違う。 両方とも紅い瞳をしている。 そう、彼らはシェゾとアルルのドッペルゲンガーだ。 これが永遠の別れはないし、明日になればまた会えることもわかっているのだが、やはり愛する者と離れるのには抵抗があった。 「そう寂しそうな顔をするな。その代わり、明日は一日中側にいてやるから」 Dシェゾはそう言って、Dアルルに軽く口付けをした。 「うん・・・約束だよ」 そう言ってDアルルは小指を出した。 Dシェゾも小指を出し、Dアルルの小指に絡めた。 彼の顔に、微かな笑みがこぼれた。 「嘘ついたら・・・針千本じゃあ面白くないから・・・ラグナロクねv」 不意にDアルルはニヤリと、意地悪っぽく笑った。 Dシェゾもこれには苦笑するしかなかった。彼女の場合、本当にラグナロクを放ってきそうで恐い。 「ああ。飽きるくらい一緒にいてやる。途中で離れろと言っても、絶対に離れないから覚悟しろよ」 Dシェゾもちょっとムキになっていた。 そして互いに視線を合わせ、笑った。 「じゃあ、行ってくる」 そして、DシェゾはDアルルに背を向けて歩き出した。 「行ってらっしゃい、Dシェゾ・・・」 Dアルルは去っていく彼の後ろ姿をじっと見つめていた。 彼の姿が見えなくなるまで・・・・・・ --------おまけ--------- 翌日 Dアルルが目を覚ますと、Dシェゾの顔が目の前にあった。 彼はDアルルのベッドで気持ちよさそうに眠っている。 「何でDシェゾが・・・?」 あわてて体を起こそうとすると、突然何かがDアルルの体を押さえつけた。 「逃がさんぞ。今日は一日一緒にいる約束だからな」 目覚めたDシェゾがDアルルを布団の中に留めさせた。 Dアルルの体を押さえつけたのは、彼の腕だった。 「もう少し、ここにいろ」 DシェゾはDアルルを抱き締めた。 彼の溺愛ぶりを把握してはいるが、いつも突然なので心臓に悪い。 そう思いながらも、結局Dアルルは彼に甘えるのであった。 |
沙羅
2007年03月28日(水) 20時48分53秒 公開 ■この作品の著作権は沙羅さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 華車 荵 評価:100点 ■2007-03-29 03:24:18 ID:RlKmr4ZO082 | |||||
こんばんは、沙羅さん。 ちょっぴり切なくて甘いドッペルズにニヤニヤでした( ̄ー ̄) 唯のひと時たりとも離れたくない、けれども互いを信じているからこそまた出逢える明日を目指して繋いだ手を離すことができるのですよね、この二人はww ドッペルズ最高です(>▽<)b ドッペルシェゾの唐突で強引な性格がいかにも彼らしいですねwやっぱり彼は押しでなければ(笑)そしてそんな彼に安心してしまうドッペルアルルも素敵に可愛いです++ とても暖かいストーリーでしたw |
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総レス数 1 合計 100点 |
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