異端児 |
「サタン!居るんだろ!!!ここを開けろ!!!」 ドンドンドン!!! シェゾは乱暴に扉を殴った。 図書館を出たDシェゾたちはすぐさまサタンの屋敷・・・もとい城にやってきた。 あたりは、もうすでに薄暗くなっており、なぜかサタンの城から、邪悪な雰囲気が漂ってきていた。 「開けないつもりか!そうか、そういう態度をとるか!いいだろう俺にも考えはあるんだからな!!!」 シェゾは自分の苛立ちとストレスをそのまま魔導力に変え、呪文の詠唱に入った。 「アレイアード!!!」 ごがぁぁぁぁぁぁん! 扉は派手な音をたて、砕け散ったがその中からはおびただしいほどに感じる妖気があふれかえった。 「うぉ!」「グッ!!」 ラグとシェゾは、吹き飛ばされそうになりながらその場で踏みとどまった。 しかし、Dシェゾにはその妖気を、心地よい風が流れてくるような感覚が生まれていた。 妖気が流れ去ったところで、3人はやっとサタンの城に入ることができた。 「しかし・・・・前に来たときにこんな感じだったか?この城・・・。」 ラグがつぶやくと、2人は首を振った。 シェゾが口を開いた。 「おかしいぞ。前ならあの格闘娘やらマモノやらが居たはずだが・・・静か過ぎる。」 「全員で慰安旅行にでも出かけたか?」 「・・・・・・・・」 シェゾの疑問にDシェゾが返してくるが無視。 Dシェゾは少ししょんぼりとした感じだ。 「とにかくだ。一人も居ていないのはおかしいし、何よりこの空気だ。吸ってるだけで吐き気がする。」 「あぁ・・・さすがにキツイぜ。これは。」 「・・・・・・」 そんな会話を交わしながら、D一行は、サタンの玉座の間にまでついていた。 書斎、私室、台所、テラス、キッチン、便所など、ほとんど全てを見回ったが、誰も居なかった。残る部屋はこの玉座の間しかない。 それにこの部屋からは、恐ろしいほどの妖気が流れ出ているからである。 「いいか、開けるぞ・・・・。」 ぎぎぃぃ・・・・・ 「何!!」「うっ!?」「・・・・!」 3人の眼は驚愕によって見開かれていた。 そこには剣で胴体を切り裂かれたサタンが無残に倒れていた。 よく見ると、サタンのすぐ前に、男が立っていた。 少し長めの黒髪に黒の紳士服。整った顔立ちは、20代半ばだろう。 その男は長い刀が両手に持っていた。 『私の名はクール。魔と人の間にできた異端児。以後お見知りおきを。』 クールと名乗ったおとこは規律の姿勢で刀を持ったままの右手を前にだし、深く頭を下げた。 その姿からは、なにかおぞましいものを3人は感じた。 |
リュウ
2005年01月10日(月) 19時48分22秒 公開 ■この作品の著作権はリュウさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 ツバメ 評価:50点 ■2005-01-10 22:39:52 ID:lkpXPMopOFQ | |||||
はや!! もうできたのですか!! サタンが死んだと思ったけど本当はまだ生きている!! ゾンビですね・・・ |
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総レス数 1 合計 50点 |
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