あるべき姿
Dシェゾは今、ある遺跡にもぐっている。
ラグナスのやっているいわゆるなんでも屋から頼まれごとをされたのだ。
依頼は・・・・この遺跡のどこかにあるという「神秘の杖」の奪取。
報酬が破格だったので、なんとなく引き受けてしまったのだが、なんとなく負に落ちないところがある。
それは、この遺跡から出るなんとも違和感のある魔力。

Dシェゾはもともとは時空の水晶だ。
それが形を変えDシェゾとなっているわけだが、どうもこの波動はドッペルゲンガーと近いものがある。

Dシェゾは遺跡の最深部まで来ていた。
ここまでは何もなかったが、この部屋には、とんでもないものが潜んでいた。


―しゃぎゃぁぁぁあぁあああああああ!!!!

それはいろいろな動物の集合体のようなものだった。
頭は人の顔。胴体は虎の毛と龍のうろこのようなものに覆われている。
腕は鍵爪がついている機械のような手。
足は人の足に龍の爪のようなものがついている。
尻尾はヘビで、羽は鳥のものとも悪魔のものともとれる。
一応人型で、背丈はDシェゾより一回り大きいくらいだ。

そいつはひとしきり鳴いたあと、Dシェゾに襲い掛かっていった。

「なに!?」

目にも止まらぬ速さでDシェゾの目の前に出現すると、殴りつけてきた。
Dシェゾはなんとか拳を避けると、今度は火を噴きかけてきた。

(早い!いや、それよりコイツはいったい・・・・?)

Dシェゾは炎を氷の魔法で相殺すると同時に怪物に向け、攻撃魔法を繰り出した。

「アレイアード!!」

拳大の闇の球体が怪物めがけ突っ込んでいった。
しかし・・・

―しゃぎゃあああああ!!!!

なんと怪物は、闇の弾を叫び声と同時に吸収したのだ。

「何だと!!!???」

さすがにDシェゾもこれには驚愕の色を隠せなかった。
そのスキを逃さず、怪物は再びDシェゾの目の前に現れるとDシェゾの首を絞めた。

『ナ・・・・ニ・・・・・ヲ、シテイ・・・・ル?時空ノ水晶ヨ・・・。』
「な、な・・・・に・・・・?」
『ググゥ・・・・ワレワレヲ、裏切ッタ・・・・ソノ罪・・・。許スワケニハ、イカン・・・・。』
「いったい何を・・・・クッ、ち・・・・力が・・・・・がぁああああ!!!!!!」

Dシェゾが悲鳴を上げると、まぶしい光が部屋全体にあふれかえり、
Dシェゾのいた場所には、美しい水晶が残されていた。



「・・・・・・ッ!!!」
「ん?どうしたの?Dアルル」

同時刻、Dアルルはアルルの家で料理を教えていた。
Dアルルの胸で、何かがはじけたと思ったら急に痛み出した。
痛みは一瞬で直った。目の前にはアルルが心配そうな顔で覗き込んでいる。

「いや・・・・・なんでもないよ。」
「ならいいけど・・・・じゃあ次コレ!力肉うどん!!!コレの作り方を・・・・・」

Dアルルの胸には依然と、いやな予感が漂っていた。
(Dシェゾ・・・・・)
リュウ
2004年12月29日(水) 20時09分51秒 公開
■この作品の著作権はリュウさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まじめに書きました。
俺の中では時空の水晶=Dシェゾ。
それは、激しい魔力干渉があると元の水晶に戻ってしまう―見たいな感じになってます。
実家から戻ってきたら続編書きます。
楽しみにねーー!!!!

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No.1  ツバメ  評価:50点  ■2005-01-03 00:35:16  ID:0DsK8s8sMC6
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うお!!
珍しい!!たいていのDシェゾは戻れなくなったのが基本でしたが、これはDシェゾが戻ってしまった!!
どういう結末になるか、Dアルルはどうするか、楽しみに待っています!!
総レス数 1  合計 50

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