名前―生きてる証
女はすこし不機嫌そうだった。
その女は空を見つめていた。
その女はすこしウェ〜ブのかかった長い髪をなびかせて、立っていた。
着ている服は―知ってる人はドレスだと思いがちだが―運動ジャージにハイヒールという不思議な格好だった。
あたりには野次馬が結構な数で女を見ていた。
中には迷惑そうに見ている者もいるだろう。

「あの〜・・・もしもし?」

女は鬱陶しげに話しかけてきた男―おそらく役人だろう―をギロリと睨み付けると、役人はこう尋ねてきた。

「えーと・・・君はそんなところで何をしているんだい??」
「愛しいあの人のことと、あさってのバーゲンについて考えているところよ。」
「いや・・・・そんなところで考えられても・・・・とにかく降りてくれいないかな?」

女は自分の足元を見やった。
この村の村長の銅像がある。その頭の上に右足を、そして左足を銅像の肩に置き空を見つめている。

村長といってもこの村の村長はまだ27足らずでなかなかの顔立ちだ。
(確か名前は・・・・アクエリアとかだったかしら?)
そんなことを思いながら女―ルルーは銅像を降りた。

「ええと・・・・いつの間にか人がこんなにも集まってるのはどうしてなのかしら?」

ルルーが不思議そうに辺りを見回しそんな発言をしたら

バタバタッ!!!!

ルルー以外、全員派手にこけたそうな。



ルルーがサタンの塔から「か〜くんグッズ」をすべて持ち出してからおよそ2日はたっただろう。ルルーはそのグッズをどうしようか悩んでいるところだった。
おおよそ4つのプランが思い浮かんだところでルルーは、口に出して言ってみた。

「その@、ウィッチの店で合成してもらう。
そのA、サンドバッグに改良してみる。250tもあればかなりのトレーニングになるでしょうね〜。」

そこまでいうと、咳払いして辺りを見回した。
さほど広くない森の少しひらけた所だ。小鳥のさえずりが聞こえる。太陽はおおよそ南中に位置しているところだろう。
後ろにはいびつに膨らんだ馬鹿でかい風呂敷がおかれてあった。
中にはサタンから取り上げた250t相当の「か〜くんグッズ」が入ってあるのだ。
独り言を人に聞かれるのは少し恥ずかしいので、人がいないか確認してみた。人がいないのを確認してからルルーは再び口を開いた。

「そのB、とりあえず誰かに押し付ける。でもあんなのもらって喜ぶのはサタン様くらいですものね〜・・・・
そのC、サタン様に謝って返しにいく。・・・・だめだわ。そうしたらまた私に振り向いてくれないもの・・・・・。」

最後のほうは少し悲しみの色があった。

「でも本当にどうしようかしら・・・・・あまりにサタン様がカーバンクルばかりで私に振り向いてくれないからとりあえず取り上げたけど・・・・いま思えばとんでもない量だわ・・・・・」

ルルーは後ろにおいてある風呂敷を見、ため息をついた。
そうなのだ。あまりにサタンが「か〜くんか〜くん」とやかましいので、ルルーは、ちょっとムカついたのでとりあえずグッズをすべて取り上げてきたのだ。
しかもサタンを女王乱舞で悶絶させその間に取り上げてきたのだ。
それにしてもこれだけの量を「ただむかついたから」というだけで奪い取ったというルルーのめちゃくちゃさは・・・

(こら作者、何ていったの?(ノ-_-)ノ ~┻━┻)
(いえいえ、なにも・・・きこえてるのかな?Σ( ̄□ ̄;)!!)

いまさらながらこの格闘娘には、驚きを周りの人間に与えてくれる・・・。

と、そこに2人の男女が現れた。
ルルーも知ってる顔の男女・・・・・DアルルとDシェゾだった。

「あら・・・・珍しいところであったわね。しかもそっちからたずねて来るなんて珍しいこともあるものね・・・・。何の用?」

ルルーはD達にそう言うと、Dアルルが口を開いた―

「君の持ってる・・・・・その「か〜くんグッズ」を返してもらうよ。」

ルルーは怪訝な表情をみせこう言った。

「あなた達・・・・サタン様の手先ね。ふん、いやだと言ったら?」

ルルーは挑戦的な感じでDたちに言うと

「なら・・・・力ずくで頂くだけだ。」

Dシェゾは静かに言い放ち剣を抜いた。

「俺達の・・・・・」
「僕達の・・・・・」

二人は同時に叫んだ。

「「名前のために!!!!」」

ルルーは2人の何とも言えない危険なオーラを感知し、絶対に渡してはなるまいと思い、風呂敷を担ぎものすごい勢いで走り去っていった。
こう捨て台詞を残して―

「ほしければ捕まえてごらんなさい!!!」


かくして究極的な女王様と名前をほしがる2人の危険人物が、250tもの荷物を手に入れようとする迷惑極まりない鬼ごっこが始まった。



近くの村の住民たちは山が3つほど消えたのであわてて避難する準備に入った・・・・・


続く―
リュウ
2004年12月19日(日) 19時53分53秒 公開
■この作品の著作権はリュウさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まだ続きますよー^^
鬼ごっこはヒートアップします。
最後のほうにはサタンがどうにかなります。
期待しないでいてください。

この作品の感想をお寄せください。
No.2  リュウ  評価:0点  ■2004-12-24 10:57:21  ID:tjAemY01kIY
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ツバメさん<ええ、魔術師なんたらを少し参考にさせてもらってます。俺はあの人のファンですからw
楽しんでくれてありがとうですw
No.1  ツバメ  評価:70点  ■2004-12-23 14:51:55  ID:lkpXPMopOFQ
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・・・冒頭の始まり、どこかで見たような気がする。
魔術師・・・なんだったけ?
でも、ルルーの最後のボケ(何でこんなに人が集まっているんだろう)
っと言うセリフに、ずっこけました。
総レス数 2  合計 70

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