ちょっとした物語4 |
〜第三章〜 サタンの塔で・・・ 「サタン様―――」 「サタン、僕たちキミに用があるの」 アルルたちはサタンの塔の中で叫んでいた。そして数秒後・・・どこからともなく足音が響き渡っていた。もちろんアルルたちにものではない。そして少し時間が経つと微かに、「あるる〜」と呼ぶ声が聞こえた。いち早く築いたのはアルルではなくルルーとカーバンクル。ルルーは目をハートにさせて「サタン様〜」状態・・・カーバンクルはすごく嫌そうな顔をしている。 (サタン・・・君って人は・・・・・・) とアルルは思った。そして、ついにやってきた。魔界のプリンスサタンが・・・ 「アルル―――」 とサタンは叫びながら突進してきた。 (なんか怖いのですけど・・・) とアルルは感じた。そんな時、救世主が・・・ 「サタン様〜」 とルルーがもう「ラブ」って感じで飛びついた。 (助かったー) とアルルは心の中で言った。 「ねぇ、サタン。聞きたいことがあるんだ」 とアルルはルルーと抱き合っているように見えるサタンに行った。 「おぉ、何なのだ?アルル」 と言いルルーを抱えながら一緒に立ち上がった。 「シェゾの居場所を教えてほしい」 「はぁ?」 とサタンが言った。 「まっとけばいいじゃないか。いつもと同じようにあの変態から現れてくれるだろうし」 と忌々しそうにサタンは付け足した。 「それがだめなのです・・・サタン様・・」 とルルーがうつむきながら言う。サタンは何がなんだか解らないとでも言うみたいに首をかしげる。そしてアルルを見た。気づいたアルルは重い口をあける。 アルルたちはベランダにいた。 「なるほど・・・そうゆうことか・・」 とサタンは言った。口で入っているもの信じられないという違和感が顔に出ていた。そして沈黙がこの場を埋めた。 その沈黙を破ったのはキキーモラだった。 「紅茶をお持ちいたしました。そんなに考えこまないで少し休憩したらどうですか?」 「ああ、そうだな。二人ともティータイムにしよう」 サタンが言うと二人はうなずいた。 そして相変わらずカー君はお菓子を食いまくっている。だが今の三人は気にも留めない。最初にサタンが口を開いた。 「アルル、シェゾの居場所を聞いてどうするきだ?まさか助けに行くとでも言い出したりしないだろうな・・」 「サタン・・僕は行くよ。サタンがだめだって言っても僕は行く・・」 アルルはサタンを睨みながら行った。だが、サタンも言った。 「あの闇の魔導師に重傷を負わせたやつに戦いを挑むというのか?いい加減にしろ!!アルル・・お前もそろそろ解れ・・自分にできることできないことを」 アルルは震えた。これが本当の魔王なのだと・・だがアルルは震えるのを我慢しつつ声を振り絞り言った。 「で、でも僕は!!」 「アルル!」 サタンが怒鳴った。このときルルーが言った。 「サタン様、私アルルについていきます。もしあの変態がサタン様だったら私どんなに危険な目にあっても助けに行こうと思いますもの。」 「ぐっぐー」 と後押しをかけるようにカーバンクルも言った。 「ぐぅ・・」 とサタンは声を上げた。二人は勝利を確信した。 「Bキキーモラ」 サタンはBキキーモラを呼んだ。そしてシェゾとレイズの情報を集めるように言った。するとBキキーモラは「解ったよ」とだるそうに言いながら行った。 「私の魔導力でも探してみるつもりだ。わかり次第報告する・・」 そうサタンが言うとすぐにベランダから出て行った。 「ありがとうサタン」 とアルルはサタンの背中を見ながらつぶやいた。 シェゾは目を覚ました。 (ここは・・・・) 「お目覚めかな?シェゾ・ウィグィィ・・・いや旧友よ」 「!」 シェゾは自分の目を疑った。そこには幼いときの自分と遊んだ友人がいた。シェゾはとても長い時間を生きている・・だからシェゾの知り合いはもう周りにはいないはず・・・だが今目の前に一人存在しているのだ。 「その様子だと覚えてくれていたみたいだね」 と微笑みながらレイズは言う。シェゾはうめくように言った。 「忘れるわけねぇだろ・・・・・レイズ・キルビィス。なぜ俺の・・・くっ」 「あまりしゃべらないほうがいいよ・・まだ傷が塞ぎきってないんだ。もう少しで君は死ぬところだったんだよ。」 「お前が刺したのだろうが・・・」 とシェゾは少し呆れた声で言った。するとレイズは小さな声で「まあね」と苦笑いしながら言った。そしてレイズは講義するみたいに言った。 「まさか君に意識があるなんて予想外だったんだよ!それに君が・・・人をかばうなんて・・・・」 「・・・・・・・」 (ほんといわれてみれば変わったものだよな、俺・・・・) シェゾは、心の中でレイズの意見に同意した。 「本当は即効お前を殺したいがこれじゃぁな・・・・」 とシェゾは自分の腕と足首を見た。手錠、足かせなどがはめられていた。それプラス魔導を使えなくする魔法までかかっていた。 「ホントご丁寧なことだ・・」 シェゾはため息をついた。レイズは肩を震わせながらも笑いをこらえるのに必死だった。 少し笑いが収まったころシェゾが話し出した。 「で、何で俺をこんなところに連れてきたのかお聞きしたいんだか」 と皮肉に言った。だがレイズはあっさりと受け流し話し出した。 「簡潔に言うと、僕の国に来てもらいたいんだ。」 「はぁ?」 とシェゾは声を出した。そしてシェゾは訊いた。 「ならそのまま俺を連れて行けばよかったんじゃないか」 「だめなんだそれが」 とレイズが言う。そして話し続ける。 「僕が何者かわかる?」 と急にレイズが訊いてきた。 「幽霊系?」 とシェゾは冗談半分で言った。するとレイズは首を振り、 「良いとこ付いてきているけど違うんだよ。僕は堕天使なんだ・・だからここで君には生まれ変わってもらわなくちゃここで堕天使に・・・・」 「何で俺なんだ?」 「決まってるでしょ?君をほかの誰にも渡さないためだよ。魔王が僕たちのことを探ってるみたいだ・・・見にいってくるから少しの間眠っててね、スリープ」 すると急に眠気がシェゾを襲った。 「まちや・・・が・・・れ・・・」 それだけ言うとシェゾはぐたりと倒れた。レイズはそれを見て微笑んだ。 「もうすぐ、もうすぐなんだ・・僕が今までずっとほしかったものがやっと手に入る。だから邪魔はさせない・・・・」 レイズはつぶやきながら消えた。 サタンは水晶を覗いていた。 (なぜ、気配すら感じ取れないのだ!) とサタンが思った瞬間水晶に金髪の青年が映し出された。 「!」 その少年が言った。「魔王様、僕の邪魔はさせないよ。だれにも」 サタンは驚いた。だがすぐに冷静になりたずねた。 「お前は何者だ」 すると青年はかすかに笑った。そのとき水晶にひびが入った。 「!」 そして水晶は砕け散った。サタンは水晶の砕け散る威力に押され吹き飛ばされた。その間にも青年は「誰にも渡さない」と同じことをつぶやきながら消えた。 「なんだったのだ」 サタンは考え込んだ。その間に背筋に冷たいものが伝わるのが解った。 アルルたちは知らない・・・シェゾが変わっていくのを・・・ そしてその間にレイズがシェゾを生まれ変わらせる用意を着々としていることも・・・・ レイズの気持ちも・・・・・・ |
青桜緑空
2004年10月15日(金) 16時34分12秒 公開 ■この作品の著作権は青桜緑空さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 聖 評価:100点 ■2004-10-17 09:23:30 ID:MZ/tUjlcirs | |||||
おぉ〜〜〜!!!!!!!!! レイズは何をしようとしているんでしょうか! シェゾはどうなるんでしょうか! とにかく気になることばかりで続きが読みたくてしかたありません! 期待してます! |
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総レス数 1 合計 100点 |
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